アニメーション動画は、私たちの日常でよく見かける動画表現の1つです。子供向けの作品のみならず、様々な場面で当たり前に見られるようになってきました。アニメーション動画を採用するのには、いったいどんな利点があるのでしょうか?今回は「メリット」に焦点を当てて、アニメーション動画の魅力をお伝えしたいと思います。
<目次>
アニメーション動画とは?
アニメーション(animation)動画は、一般的に「アニメ」と略して呼ばれることが多く、中にはキャラクターアニメーションのイメージを強く持っている方も少なくないのではないでしょうか。
実はアニメーション動画は、キャラクターを含む写真、文字や図形、イラスト・ロゴといった静止画に、位置や形・色・大きさなどの変化を少しずつ加えたものを1枚1枚撮影し、つなげて映像化したものを言います。
ノートの隅にパラパラ漫画を描いたことはないでしょうか?それをそのまま映像化するイメージです。
アニメーション動画の種類などは、詳細をこちらの記事にまとめていますので、ご興味のある方はあわせてご覧ください。
アニメーション動画の役割
動画は大きく分けると、実写動画とアニメ―ション動画の2つに分類できます。どちらも同じく、テキスト形式では上手く伝えられない情報を視覚的に分かりやすく伝えられるという特徴を持っています。
テキスト形式での情報伝達の苦手とする部分は、見ている側の感情や五感を動かす作用です。
いくら文章で「美味しそう」な表現をしたところで、読者にその感覚や感情を共有するには、文章を読みながら想像を膨らませて貰う必要があります。文章表現では、想像なくして読者の感情を呼び起こすことは出来ません。しかし、美味しそうな食べ物の映像を見せたとしたらどうでしょうか。視覚的に美味しい食べ物を見せることで、ダイレクトに見ている側へ情報を伝えることができ、「美味しそう」「食べたい」という感情や、実際の味覚を思い起こしたり、場合によっては唾液が出るなどの身体反応をも呼び起こすことができます。
では、実写動画とアニメーション動画の役割には、どういった違いがあるのでしょうか。
アニメーション動画は実写動画よりも、シンプルで分かりやすく、効果的に情報を伝えられるという特徴を持っています。実写よりもテキストや図表などのグラフィックが扱いやすく、ダイレクトで具体的な情報が伝えやすくなります。グラフィックによる直感的な理解と、テキストや数値による具体的な内容の理解が組み合わさるため、伝えたい情報を視聴者の記憶に強く残して、次の行動へ誘導したり、よりアクションを起こしやすくさせる役割を担います。
アニメーション動画の目的
アニメーション動画は、どういう目的で作られるのでしょうか。
情報への理解促進や商品に対する購買意欲への誘導などの狙いについては、「アニメーション動画の役割」で述べたことと直結する内容ではないでしょうか。
実写ではなくアニメーション作品にする、または実写にアニメーション表現を加える際には、上記以外にも作品に対する興味・関心を高め、作品を通して企業やサービスに対する関心や評価の向上を目的として制作されることもあります。
メッセージを届けたいターゲットが興味を持ちやすい表現にするためであったり、親しみやすさやカジュアルな企業イメージをアピールしたい場合、アニメーション表現が合うことも多いです。その作品が高品質で魅力的な作品であれば、企業イメージの向上にもつながりますし、それを通してサービスやブランドへの関心も高まります。
アニメーション動画のメリット
ここで、アニメーション動画を採用するメリットを整理してみましょう。メリットを理解することで、効果的なアニメーションの制作をすることにつながります。
1.シンプルで分かりやすいこと
テキストや図形、などのシンプルな素材を使用することで、余計な情報を排除して、明確でわかりやすいメッセージにすることができます。
【シンプルな素材とは?】
アニメーション動画の制作で使用される素材には、下記のようなものがあります。
- ピクトグラム(絵記号)
- 音声・音楽(BGM)
- テキスト(文字・タイポグラフィ)
- 図形・アイコン
- イラスト(キャラクター、線画など)
- グラフ・図表(インフォグラフィック)
- 写真
- ホワイトボード、ペン
- 3DCG
伝えたい情報に合わせ、これらのシンプルな素材を適切に選び、表現を上手く組み合わせることで、直感的な理解に加え、インパクトがあり記憶に残りやすい動画とすることができます。
2.自由な演出と豊かな表現力
実写動画ではあまり使うことがない表現でも、アニメーション動画では自由に使うことができます。伸縮・捻じり・歪みなどの効果を使って、大胆な演出効果や豊かな表現を可能にします。現実には無い空想・仮想の世界を作り出すことで、視聴者の興味・関心を惹きやすくなります。
3.親しみやすさの演出
キャラクターやイラストなどの表現は、子供からお年寄りまで幅広い年齢層に受け入れられやすく親しみを持ちやすいので、さまざまなジャンルに対応可能です。また、堅苦しい内容やセンシティブな内容でも、イラストを使用することで印象を和らげ、受け入れやすくなります。
また、イラストのテイストやカラーリングを選ぶことで、ある特定のターゲット層へと訴求を絞ることもでき、動画の持つ印象をコントロールしやすいこともアニメーション動画を採用するメリットです。
ターゲットの特徴を押さえ、親しみを感じてもらいやすい表現をうまく選べると、効果の高い動画になります。
4.制作時間と制作コストを抑える
実写動画と比べ、アニメ―ション動画は安価な費用で制作が可能です。
実写動画の場合、企画・準備・撮影・動画編集 に至るまで、多くの人・物・時間を要します。また、撮影に至っては人や物を現場に移動しなければならないため、その分時間や経費がかかってしまいます。修正が発生するとまた同じコストがかかるため、簡単には改訂ができません。
一方でアニメーション動画の場合は、人や物、場所に関するコストが実写動画に比べてほとんどかかりません。動画制作用の素材の用意と、作業者数名で制作が可能です。制作後の修正も比較的作業しやすく、コストを大幅に抑えることが可能です。
ただし、3DCGなど、表現手法によっては高度な技術や膨大な作業を要することがあるため、制作費が高額になる場合があります。制作する際に、その表現を選ぶ目的や費用対効果などをきちんと考慮したうえで、予算に合った表現を選ぶ必要があります。
まとめ
今回の内容を箇条書きでまとめてみます。
【アニメーション動画の役割】
- 余計な情報を排除した表現により、シンプルで分かりやすく、効果的に情報を伝える
- グラフィックによる直感的な理解、テキストや数値によるダイレクトで具体的な情報で、より強く記憶に残し、次の行動を起こしやすくさせる
【アニメーション動画の目的】
- より強調された情報への理解促進
- 商品に対する購買意欲への誘導
- 企業やサービスに対する関心や評価の向上
- ターゲットが興味を持ちやすい表現にするため
【アニメーション動画のメリット】
- シンプルで分かりやすいこと
- 自由な演出と豊かな表現力
- 親しみやすさの演出
- 制作時間と制作コストを抑える
アニメーション動画の活用には様々な可能性があります。
映像制作をする際には、いちどアニメーション動画の表現をいくつか検討してみても良いかもしれません。最近では、教材にアニメーション動画を採用するケースも増えてきました。
弊社でもアニメーション動画を使ったデジタル教材のコンテンツを制作していますので、ぜひご覧いただけたらうれしいです。
最終更新日: 2024-07-26