教育のICT化が推進され、授業においてデジタル教科書の導入や黒板の代わりに大型ディスプレイを利用するといった取り組みが進められています。しかし、ただデジタル教材や機器を導入しただけでは子どもたちの学習力向上にはつながりません。ここでは、子どもたちがより深く学ぶためのデジタル教材活用法についてまとめていきます。
デジタル教材には落とし穴がある
教科書のデジタル化や大型ディスプレイの導入など、教室内におけるデジタル化が年々進められています。確かに、デジタル媒体を通した情報は分かりやすく、刺激的です。そのため、授業を行う側も受ける側も受講時の満足度はとても高いものになります。しかし、情報を一方的に浴びるだけになってしまいがちなため、それがきちんと理解に繋がっているかといわれれば、少々疑問が残るところです。デジタル教材を取り入れたからといって、それだけで満足していては、授業での学習効果を高めることはできません。
デジタル教材は授業を行う手段の一つ
デジタル教材は、あくまでも授業を分かりやすくするための手段の一つです。学習するときは、インプットとアウトプットをセットで行うことで、学習内容をより深く身につけることが可能です。そこで、デジタル教材はあくまでも分かりやすく情報をインプットするための手段とし、グループ学習や演習問題と組み合わせることで、より生徒たちの学びをより深いものにすることができるのです。
例えば、デジタル教材で英語の発音を学び実際に発音してみることで、単語の音に関する情報を自分の中に定着させることが可能になります。理科の授業であれば、デジタル教材や映像などで学び、それを参考に実験や観察を行うことで実験の手順や学んだことを復習することが可能です。大型ディスプレイで映像を映す場合には、一時停止や画面に映る重要事項を拡大して表示しながら解説することで、ただ映像を見るだけよりも理解が深めやすくなります。
デジタル教材は組み合わせて活用する
デジタル教材はとても便利なものですが、それだけを頼りに授業を展開しては生徒の理解向上にはつながりません。デジタル教材を活用するだけで生徒の学力が向上するなら教師は必要なくなってしまいます。あくまでも、教師側でデジタル教材を上手に活用することで授業での相乗効果が見込めるのです。そこで、デジタル教材で学んだことをもとにグループ学習や演習を組み合わせるなどして、学んだことをより深く理解できるような工夫をして活用していきましょう。