場所や日時を選ばずに好きな時に学習できるeラーニングは、その利便性から多くの企業研修や教育現場に導入されています。しかし、日本企業全体で見ると、未だ集合研修に重きを置く企業が大半を占める結果となっています。中にはeラーニングの導入を検討しながらも、昔ながらの集合研修のメリットを考えるとなかなか導入できずにいる企業もあるのではないでしょうか。しかし、集合研修を上手くeラーニングに置き換えることで、研修をより効果的に行うことができます。そこで今回は、これまで行ってきた集合研修からeラーニングへ移行する際のポイントについてまとめていきます。
eラーニングも万能ではない
eラーニングのメリットは、場所や時間を選ぶことなく個人が自由に学習ができることです。受講者の予定調整や研修開催場所の選定、講師の手配などの手間や費用も必要ないのは、企業側にも大きなメリットです。しかしながら、個人の裁量が大きいため、受講者のモチベーションや学習意欲を高めるのが難しいというデメリットがあります。そのため、研修を後回しにしてしまう、ただ消化するだけといった惰性で研修を受講してしまうなどの恐れもあるのです。
また、実技的な研修はどうしてもeラーニングだけではカバーし難く、既存のコンテンツを利用する場合は研修内容にマッチしない場合もあります。
集合研修を全てeラーニングに置き換える必要はない
このように、優秀なeラーニング研修にもデメリットは存在します。だからといって、eラーニング自体を嫌厭してしまうのは少々勿体ない話です。eラーニング研修のデメリットを集合研修で補うことができれば、より充実した研修を社員に提供することが可能になります。
例えば、知識を吸収するような研修をeラーニングで予め受講し、集合研修で実技やディスカッションなどを行うことでインプットした知識をアウトプットすることが可能となります。eラーニング研修で理解できなかった部分があってもここで確認することが可能なため、学習内容をより深く理解することができます。また完全な個人学習とは違い、他者と関わることで社員のモチベーションにも結びつきやすくなります。
eラーニングと集合研修いいとこどりの研修を
eラーニング研修の導入を検討したとき、現在行っている全ての研修をeラーニングに置き換えるのではなく、既存の集合研修との組み合わせを検討してみてはいかがでしょうか。インプットを中心とした研修はeラーニングでも十分に行うことは可能ですが、実技やディスカッションなど集合研修で他者との関わりの中で得られる学びもたくさんあります。
まずは社内のどの研修がeラーニングに置き換え可能か、逆にどの研修は集合研修の方が効果的に感じられるかを検討してみるのもいいかもしれません。