近年、目にすることが増えた「ICT教育」「教育のICT化」という言葉。教育の現場を大きく変えるかもしれないとも言われているICTですが、そもそもICTとはどのようなものを指すのでしょうか。また、ICT教育のメリット・デメリットは何なのでしょうか?
ICT教育の「ICT」とは?
ICTとはInformation and Communication Technologyの略で、パソコンやスマートフォンといったコンピューターを使用した情報通信技術のことです。ITと大きな違いはありませんが、ICTは単なる情報処理についてだけでなく、インターネットによる通信技術を利用したサービスのことを指しています。
そして、パソコンやタブレットを使った授業や、生徒の情報管理や資料作成にパソコンを使うことなどを総称して「ICT教育」といいます。
ICT教育のメリットとは?
ICT教育によって生徒が受けられるメリットは大きく3つあります。まず、パソコンやタブレットを利用した学習では、テキストベースの文字情報だけで伝えるのが難しいような表現をアニメーションや動画を使って、より楽しく、よりわかりやすく教えることが可能になるなど教育の幅が広がることが挙げられます。
次に、生徒が理解するまで何度も繰り返して学習することができ、生徒個人のペースで学ぶことが可能です。
そして、現代社会においては、情報機器を操作したり、インターネットに溢れる情報の中から、自分で情報を精査し考える能力も大きく必要とされています。ICT教育によってこれらの力を早い段階から身につけることができるのも大きなメリットです。以上が生徒側のメリットです。
ちなみに、教師側にもICT教育の導入によって、授業に使用する教材資料を簡単に作成できるようになったり、生徒たちの個人情報の管理をしやすくなるというメリットがあります。
ICT教育のデメリットとは?
一見メリットしかないように見えるICT教育ですが、やはりデメリットもあります。
ICTを取り入れるにはハードや通信環境の整備などにそれなりの予算を要します。そのため予算が足りずに導入できない、また導入してもハードが故障したときになかなか交換できないといった難点があります。
また、パソコンやタブレットのバージョンや通信環境により教材がなかなか表示されない、実際に利用する生徒たちが機器の操作に慣れるまでに時間がかかってしまう、端末をインターネットに繋いで授業をする場合に生徒が授業とは関係のないページにアクセスしてしまう危険性がある、など情報機器を扱うからこそ生まれる欠点も存在します。
ICTを上手に活用した教育を
ICT教育は通常の授業よりも生徒個人が興味を持って楽しく学ぶのに適した教育方法です。教師からしても、生徒の情報や授業教材の作成や管理が容易になるというメリットがあります。
しかし、環境の整備にはコストがかかります。また端末操作や生徒のネットリテラシーの習得など、通常の授業では扱ってこなかった学習をする必要も生まれます。そのためメリットとデメリットをよく吟味して取り入れていく必要があるでしょう。
最終更新日: 2019-07-17