【講演レポート】最新事例を紹介!eラーニングで『学びたくなる』3つのポイント~2000件以上の事例から厳選!学習効果の上がるeラーニングの作りかたがわかる!~

eラーニングアワード2018。講演レポートを続けます。

株式会社プロシーズ ラーニングパートナー事業部 リーダー 池辺 直樹氏による、「最新事例を紹介!eラーニングで『学びたくなる』3つのポイント~2000件以上の事例から厳選!学習効果の上がるeラーニングの作りかたがわかる!~」講演を聴講してまいりました。

受講者が学びたくなる教材作りで「満足感を上げ」「受講をさらに促し」「受講率が上がる」ステップを踏むためのコツを、たくさんお聞きすることができました。

eラーニングを学びたくなる3つのポイントとは?

  • 受講者の気持ちになりきる
  • 受講者に小さい成功体験を与える
  • がんばれば超えられるハードルを設定する

以上の3つがポイントです。詳しく見ていきましょう。

[ポイント1] 「受講者の気持ちになりきる」eラーニング教材とは

受講者の気持ちになるためには、受講者がやる気を失うポイントをまずは押さえておく必要があります。たとえば、

×集合研修のパワポをそのまま利用

×操作性が直感的でない(文字が小さい、操作がわかりにくい)

×教材が勝手に始まる

×エラーが多い

といったことは、確実に受講者のやる気をそいでいきます。これらを排除したうえで、受講者の気持ちになった教材作りをしていくそうです。そして、受講者目線に立って、自ら学びたくなる教材にするためには、「1日の受講満足度を上げる」必要があります。

 (具体例1)初回のみチュートリアル表示をする(受講者にとってわかりやすい場面を絵や画像を用いて)
 (具体例2)受講モード(通常モード・ダイジェストモード)を受講者に選択させる
 (具体例3)VR事例:情報を「見せられる」のではなく「自ら見る」体験をさせる
といった要素を盛り込むことで、満足度を上げていきます。受講者に、自ら選択したという「自発性」を感じさせることがポイントです。

[ポイント2] 「受講者に小さい成功体験を与える」具体例

挫折せずに学習を続けさせるためには、モチベーションの維持が大切です。そのため、細かいところで受講者の成功体験を与えてあげるようにします。

  • 何を学べるのかをわかるようにする
  • 目的や目標、目安時間などを明確にする(1単元10分以内が適切)
  • どのような人が対象者か判然とさせる
  • 受講することで身につく知識やスキルはどのようなものか明瞭に
  • 学習する必要性を見せる
  • 動画などの再生速度を1〜1.2倍で変えられるようにする(時間短縮)

などといった細かい工夫を施し、小単元ごとに達成感を味わえるようにしていきます。

[ポイント3] 頑張れば超えられるハードル設定について

eラーニングには適切なハードル設定が重要です。困難すぎる課題はあきらめてしまう受講生を増やしますし、逆に簡単すぎても達成感を得られません。ハードル設定は超えられるギリギリのところが望ましいのです。また、受講者が「考える」仕組み作りも、程よくやる気を刺激します。

 (具体例1)出題をランダムに
 (具体例2)選択肢をランダムに
 (具体例3)選択肢を択一ではなく複数選択に(あてはまるものすべて選べ)
 (具体例4)説明が教科書的にならないように
 (具体例5)ヒント表示はできるが、修了条件はノーヒント
こういった工夫をすることで、学ぶ欲求が高まっていきます。

eラーニングは積極的に選ばれることで効果が上がる

eラーニングは時間や場所に縛られない分、積極性が求められます。また、面白さや体感なども今後は求められるようになってくるでしょう。ポイントを押さえた学ぶ意欲がわくeラーニングは、今後需要が増していくはずです。今回の講演は非常に興味深く、役立つお話でした。最後に講演の中で話された学習の展開例について提示しておきます。

[まとめ] 学習の展開例

実際のeラーニングの学習の展開例は以下のようなものになるそうです。

  • 導入 → よくある場面・想像しやすい事例(感情移入共感
  • クイズ・判定(達成感を得られる成功体験)
  • 解説 → 第三者の視点を取り入れる(客観性
  • まとめ
  • 資料のダウンロード → 受講後の行動変容を促す(自発性
  • 実践後の成果を示す(成功の疑似体験

うまく学習展開をすることで、eラーニングの効果も上がりやすくなります。教育設計の意識は重要と言えそうです。

最終更新日: 2019-06-25