「eラーニングアワード2018」講演レポートを続けます。
「シンギュラリティ時代到来に向けての教育とは」講演を聴講してまいりました。
シンギュラリティ。初めて聞いたときは怪獣の名前か映画のタイトルかと思いましたが、これはいつか来るかもしれない未来の話。特別な未来の瞬間を意味する単語です。とかく話題のシンギュラリティ。そんなシンギュラリティ時代の教育について、講演をレポートします。
シンギュラリティの定義とは
今回の講演における、シンギュラリティの定義は「人の生活が後戻りできないくらい変容してしまうような未来(その瞬間)」ということでした。シンギュラリティの瞬間は、もしかすると過ぎ去ってしまってから、「ああ、あの時だった」と思い返すようなものかもしれませんね。実際、もうスマホのない生活に戻るなんてできませんし。
シンギュラリティは「技術的特異点」と訳され、人工知能がひとの知能を抜く瞬間と定義されることもあります。こちらの場合も、それがいつなのかは、あとで振り返って初めてわかることかもしれませんね。部分的にはすでに追い抜かれている分野もあるでしょうし。
シンギュラリティに関しては、「その日はこない」「危険だから回避すべきだ」などと、多くの議論がなされています。今回の講演での内容以外にも興味深い内容がたくさんあるので、調べてみると面白いでしょう。
未来のシンギュラリティの瞬間に備えて必要なスキル
これからは、人口減に対応してAIや人工知能の力を借りる必要があるのですが、一方で人の力をきちんと鍛えていくことも不可欠だということです。そして、来たるシンギュラリティの瞬間に備えて必要なスキルは、
マネジメント力、課題発見能力、グローバルな感覚、コミュニケーション能力
の4つ。これらが、AIでは補完できない、人ならではの能力ということですね。実際、AIはデータに基づいて決まった回答をすることは得意でも、データが存在しない新しい事象や、日常のコミュニケーションコミュニケーションは苦手だと言われています。これからは、AIに負けずにAIをうまく使えるように、4つのスキルアップを図っていかねばならないようです。
シンギュラリティ時代の教育について考える
シンギュラリティ時代において、育てるべき人材として「エバンジェリスト」という言葉が出てきました。「エバンジェリスト」とは、製品をわかりやすくお客さまに感動的に伝える力を持つ人のことです。この能力はITが急速に発展していくうえで、必要不可欠になっていくといわれています。「エバンジェリスト」にはもともと「宣教師」という意味があるので、IT社会における「宣教師」的な存在と思えばわかりやすいかもしれません。
シンギュラリティ時代に向けて、これまでなかった新しい能力の定義が生まれ、育成が求められます。講演の中では、求められる人材像として、「変化に対応、予測、創造する人材」が挙げられていました。これからは、高い視点で考え、変化に柔軟かつ素早く対応できる人間がもとめられるそうです。一方、そういった人材の育成指導を行う人間も必要とされます。
とにかく変化に対応する力。まだデータがそろわない段階で判断する、「初めての事象」につよいひと。シンギュラリティ時代に必要な人材は、思考力もリーダーシップも、AIを意識していかねばならないようです。
最終更新日: 2019-06-25