eラーニングアワード2018。講演レポートを続けます。
株式会社デジタル・ナレッジ 研修ソリューション事業部長 野原 成幸氏による、「eラーニング多様化時代の企業研修の在り方! ~AI・VR・ラーニングアナリティクス・ゲーミフィケーション・マイクロラーニング~」講演を聴講してまいりました。
企業研修にeラーニングの導入があたりまえになってきました。eラーニングも多様化して、パソコンの中だけに収まらなくなり、面白さが追及されるように・・・。多くのeラーニングを制作し、現場を知る講師から、eラーニング多様化時代の企業研修について、お話しいただきました。
企業研修は経験型学習へ
eラーニングの多様化によって、企業研修は座学から経験型に変化していっているそうです。ゲーミフィケーション(ゲームのような面白さを取り入れた学習法)やOJTを含み、これまでの知識を与えられるだけの研修から大きく変化しています。また、体験を共有することも、研修の重要なポイントとなっており、社員同士のコミュニケーションも重要となります。
このため、eラーニングを用いた研修であっても、コミュニケーションや情報共有を重視したものが取り入れられるようになっています。スマホを利用し、アバターのようなゲーム性のある研修を楽しむことで研修を楽しむことができるそうです。
VR(ヴァーチャルリアリティ)で現場体験(調理・高所)
VR(ヴァーチャルリアリティ)による現場体験も、研修の新たな形です。VRは現場のイメージを届けることができますので、調理や危険が伴う業務の研修に適しています。実際に調理などを体験する前に、VRを用いてまるで実際に調理をしているかのような体験をすることで、危険を排除した実習のファーストステップを踏むことができるのです。調理以外にも、高いところでの作業のような危険を伴う実習には、VRは非常に有利。VRの性能も上がっているので、本当に体験する時と大差ない状況を作り出すこともできるようになってきています。
マイクロラーニングで短時間積み上げ学習(営業向き)
マイクロラーニングの強みは、短時間で少ない学習量を積み上げていける点です。マイクロラーニングは、とにかく短いコンテンツをたくさん作り、隙間時間を利用した学習を積み重ねていきます。実際の事例としては、MRのための「薬知識アプリ」を紹介されていました。社外で過ごす時間が長い営業にとって、訪問と訪問の間に少しづつ知識を蓄積できるマイクロラーニングは非常に便利です。
マイクロラーニングを利用することで、これまで研修の機会があまりとれなかった職種でも、隙間時間を利用してスキルアップが可能です。マイクロラーニングは、1分以内に終えることができる問題や知識の定着、5分以内の動画コンテンツなど、工夫が凝らされた細切れ授業が魅力です。
ラーニングアナリティクスを人事に活かす
ラーニングアナリティクス(学習分析)は、eラーニングを導入したからこそできることのひとつです。eラーニングの学習結果は記録に残すことができ、さらに分析して、人材育成に活かすことができます。学習が進まない、または能力発揮ができていない社員がいた場合は、学習履歴から改善点を見つけることもできます。
また、退職者予兆などもわかるため、退職させずにステップアップさせるにはどうしたらいいかといった人事上の参考データとしても利用できます。このほかにも、優秀な社員のデータをもとに、出来る人の学習傾向を新人の学習にあてはめて指導するなど、新人指導につなげていく施策も可能です。
eラーニング多様化時代の企業研修
eラーニング多様化時代の研修は多様化し続けています。研修は研修で完結せずに、巣の後の人材育成につなげることが当たり前になってくることでしょう。これまでの座学研修では取りにくかったデータを、eラーニングであればうまく蓄積していくことができます。
社内に帰らない営業向けのマイクロラーニングは、今後増えていき、さらに多様化していくように感じました。一方で、集合研修はアクティブラーニングに特化していき、より講師の力量が問われることになりそうです。
最終更新日: 2019-06-25