英語以外の外国語はもちろん、古文や現代文などの日本語においてもeラーニングは幅広く活用されています。一方で、eラーニングだけですべての語学習得が可能というところまでには至っていません。語学は文法や読み書きだけでなく、その国の文化や独特なイントネーションを学ぶといった、人間臭い部分が多く含まれるからです。今回は、そういった語学分野におけるeラーニングの弱点を見ていきましょう。
eラーニングの弱点は人間らしい話し言葉や造語・新語
eラーニングのよさは時間や場所を選ばずに学習できることですが、一方で臨機応変な対応が難しいといった弱点もあります。特に語学分野においては、人間らしい話し言葉の部分に対応する難しさは、スピード感と合わせてまだまだ未対応の部分があります。言葉はしばしば略され、新たな造語が生まれます。方言は各地にあり、ネイティブでもすべての方言を理解できる人は少ないでしょう。
そして、中高校生の話し言葉等は、人工知能が対応しきれない最たる部分かもしれません。20年以上前に流行った「チョベリバ(超ベリーバット)」や比較的新しい「激おこぷんぷん丸(すごく怒っている)」「フロリダ(風呂に入るから離脱する)」のように次々と繰り出される新語に対応することは難しいでしょう。「フロリダ」なんて地名と見分けがつきにくく、文脈から判断するしかないですよね。とはいえ、実際に会話の中では当たり前に使われている言葉であり、正しい日本語でないとしても、言葉であることは事実です。
ノンバーバルコミュニケーションにどこまで対応可能か?
また、実際の会話においては、そのすべてが言葉だけでやり取りされているだけではありません。ノンバーバルコミュニケーションと呼ばれる、言語以外のコミュニケーションに、eラーニングがどこまで対応できるかも、今後問われていく部分でしょう。
身振り手振り
身振り手振りに関しては、eラーニングの中でキャラクターを登場させることで、学習時のイメージを可能にしています。実際の会話の中では、言葉だけなく、手や体の動きを使って相手に意思を伝える場面は多いはず。こういった会話に対しても、eラーニングでの学習は対応可能となってきています。
表情で伝わり方が変わる
表情は、コミュニケーションにおいて欠かせない部分です。同じ言葉を発しても、笑っている時と無表情の時、口を「への字」に曲げ、目を吊り上げている時では、言葉の意味は全く違ったものになるでしょう。たとえば「よくやってくれました」という言葉で考えてみましょう。笑っているときは誉め言葉、怒っているときや無表情の時は・・・どうとらえられますか?このような表情に関しても、eラーニングでは日々精度の高い、伝わりやすい教材制作が可能となってきています。語学コミュニケーション分野においては単なる知識を超えた教材制作が行われているのです。
強く発音する部分で意味が変わることも
言葉の難しいところですが、同じ一文でも強く発音する部分によって、意味が変わってくることがあります。特に語尾の強調度合いで、伝わる感情は大きく変わります。例として以下の一文を見てください。
「お昼はラーメンにする!」
「お昼はラーメンにする・・・」
「お昼はラーメンにする?」
この3パターンはいずれもお昼にラーメンを食べることについて言っていますが、伝わる意味合いは大きく変わってきます。最初の「!」の場合は、積極的にラーメンを食べたい気持ちが伝わってきますが「・・・」の場合は仕方なくラーメンを食べるようにも取れます。そして最後の「?」の場合は相手の意向を確認する一文です。
こういった違いは、文字だけで表現可能なものと、文字だけでは表現しきれない部分があります。eラーニングでは、リアルな音声を組み入れることや、キャラクターの表情などで、こういった部分にも対応していけます。
全てをeラーニングにはできない
とはいえ、すべての学習をeラーニングで完結する。まだ少し難しい部分があります。語学はやはり実際に人とやり取りをしてみてこそ、活かせる部分もあるからです。生のコミュニケーションも大切ということですね。もちろんこれにはメールやSNSでのやり取りも含まれます。
eラーニングは留学の事前学習や、座学部分の代わりとして利用するとよいでしょう。eラーニングで学んだ語学を実際の生活やビジネスの場でさらにレベルアップさせてください。そしてその機会を、どん欲に手に入れるようにしましょうね!
eラーニングをツールとして使いこなそう
eラーニングの良さはなんといっても時間がない時にうまく学習を進められるといった点です。たとえ細切れでも、学習を続けることができれば、その成果は確実についてきます。eラーニングを学習のツールとして、うまく使いこなしましょう。
最終更新日: 2019-06-25