おそらくすべての研修担当者が抱える「研修が無事に開催できるだろうか」といった不安について、かつてとある研修機関で働いていた時の経験をもとにお話しします。集合研修は「今日この日に」なんとしてでも「全てのカリキュラムを円滑に終了」させねばならないので、大なり小なり予定外の事象におびえることにはなります。もちろん8割以上の研修は円滑に問題なく終了しますが、どうしても避けきれなかったトラブルというものは常に存在していました。そういったトラブルと回避する方法について、考えてみます。
研修担当者が常におびえる自然災害
研修を行う上で、避けて通れないのが自然災害です。毎年台風の時期には天気予報を凝視して「頼むからこの研修の日だけには来てくれるな」と祈っていても、来るときは来てしまうものでした。台風による研修延期や中断は年に1度くらいは必ず起きるものとして半ばあきらめていた部分があるくらい、どうしようもないものです。
もちろん大きな地震が起これば研修どころではなくなりますし、自然災害以外にも火事などの突発的な事故でも研修中止になることは起こりうることです。そして、研修内容によっては、再び同内容で開催することができないこともありえることでした。
大規模な電車遅延は都市部では頻発
都市部の電車では朝の電車遅延はあたりまえにおきるもので、場合によっては1時間以上電車が止まることもあります。こういった場合は、研修にも当然影響が出てしまい、カリキュラムをすべて終了することが不可能になることも・・・。致し方ないこととはいえ、研修生の大半が遅刻してくるような大規模な遅延の場合は、対応に苦しむのも研修担当者の常ではないでしょうか。
「研修当日講師が来なかった事件」は数年に1回起きる
あってはならないことですが、研修当日に講師が現れなかったといったことも、実は何度かありました。理由はさまざまで、「突然の体調不良」のようにどうしようもないものから、「場所を間違えた。今〇〇にいる」のような驚きの理由まで・・・。どちらにしても講師が来ていない状況で研修生がずらっとそろってしまっている状態には、かなりのプレッシャーを感じるものです。
講師の遅刻は、5分10分のちょっとした遅刻であってもハラハラするものですので、このようなことは何としてでもなくしたい!と思うのが研修を担当する方の切なる思いではないでしょうか。人が絡む以上、ゼロにはできないまでも、減らす努力や何らかの対応策は考えておきたいものですよね。
研修生の体調不良や仕事の都合
研修におけるトラブルで、かなり頻発するのが研修生の当日キャンセルです。当人や家族の体調不良から突発的な仕事の発生まで、仕事やプライベート共に忙しい人ほど、様々な事情が発生しやすいものです。また、キャンセル以前に、研修を受けたくても都合を付けられずに、受講を断念する方もかなり多くいるのではないかと推察します。
こういった事象を減らす対策はできる限り行い、なるべく多くの社員が研修を受講できるようにしていきたいものです。とはいえ、非常に対策が難しい部分であることは否めません。特にインフルエンザの流行期は、キャンセルだけでなく研修会場での感染拡大などにも注意が必要で、研修担当者が神経をすり減らすこともあるでしょう。
どれほど事前準備をしても必ずなにかは起きる
集合研修である以上、多くの人の予定を一度に合わせる必要があります。人数が多数になればなるほど、どれほど事前準備をし、調整に調整をかさねても必ず何かは起きるものです。誰一人欠席も遅刻もせずに円滑に時間内に研修が終了することは、経験上そう多くはなかったと記憶しています。
もちろんeラーニングであってもトラブルが全く起きないわけではありません。ブラウザやセキュリティー環境によって、予定したとおりに動作しないことも起こりうるでしょう。ですが、集合研修とeラーニングの大きな違いは、比較的時間に余裕があるということです。「今日この日にすべて」を終わらせねばならないという条件がない分、eラーニングの方がトラブルへの対応力は高いのです。
eラーニング化で突発的な研修キャンセルを減らしたい
eラーニングを研修に導入することで、ある程度天災や人的な理由によるトラブルを減らすことが可能になります。全ての研修内容をeラーニング化することは難しいかもしれません。ですが、例えばこれまで4日かけて行っていた研修の2~3日分をeラーニング化することで、社員を一斉に拘束する時間を減らすことができます。eラーニングであれば、受けたいときに受けることが可能ですので、個人の事情に左右されにくくなり、1~2日であれば業務の都合もつけやすくなるのではないでしょうか。
最終更新日: 2019-06-25